岩崎研究室の研究活動

〜 メカトロニクス制御とは 〜

※本コンテンツは平成28年度卒研生募集に用いたものです。


岩崎研の2016年度のキャッチコピーは

産業界を支える実用的次世代モーションコントロール技術を
産業界・海外との強力な連携の下で研究・開発します

です。 このコピーには,我々が目指す次のキーワードが3つ含まれています。

  1. 産業界を支援
  2. 実用的次世代モーションコントロール技術の研究・開発
  3. 産業界・海外との連携
以下で,これらのキーワードを簡単に説明・紹介しましょう。

  1. 日本の産業界を支援するテクノロジー
    ここでは,現代社会に欠かせない高度情報技術”IT”を例にとって話を進めることにしましょう。

    近年の急速なコンピュータ技術やネットワーク通信技術の発展は,ビジネスを含めた私達のライフスタイルを劇的に変貌させています。その技術的な中核を成す一つが”IT”であることは,間違いないでしょう。中でも,ハードウェア技術の多くは日本が得意とするところであり,これからも他の国々をリードして指導的立場に立つ必要があります。

    それでは,”IT”製品を製造するためにはどのようなハードウェア要素技術が必要なのでしょうか? その一つに,半導体製造技術や電子部品組み立て技術,産業用ロボットや工作機械等の制御技術に代表される,”メカトロニクス制御技術 (Mechatronics Technology)”があります。”メカトロニクス”という言葉は日本の電機メーカが1960年代に名づけたもので,単語の綴りからも分かるように機械(mechanics)と電子(electronics)を合成した造語です。このテクノロジーはまさに日本がリードしてきた分野であり,今では英語の辞書にもちゃんと登場しています。平たく言えば,”複雑な機械を電子技術によって自在にコントロールする要素技術”のことなのです。

    では,なぜ日本におけるメカトロニクス制御技術は,日本の製造業を支え,世界をリードして発展できたのでしょうか? それは,このメカトロニクス制御技術があってこそ,半導体製造装置や電子部品組立装置,産業用ロボットや工作機械などが華麗に動き,半導体チップやプリント基板,磁気・光ディスクなどの基盤部品が製造され,そしてコンピュータ,AV機器,携帯機器などのIT社会に欠かすことのできない製品群が組み立てられるからなのです。すなわち,
      メカトロニクス技術はIT社会を支えている
    ことに他ならないのです。

  2. 次世代のメカトロニクス制御技術を開発する
    それでは,メカトロニクス制御技術を日々研究する我々は,これから何を目指すべきなのでしょうか? その戦略としては,
      より高性能高機能なインテリジェント化メカトロニクス製品を開発する
    ことに尽きるでしょう。それを実現するのに必須なソリューションとして,我々は次の研究テーマを挙げています。

  3. 産業界・海外と連携する
    ここまでに説明してきた通り,メカトロニクス制御技術は我々の高度なライフスタイル実現に欠かせない基盤技術なのです。すると,高度な電子製品や機械加工精度が必要となれればなる程,高精度・高機能な制御技術が必要とされるのです。それはすなわち,
      制御仕様や製品仕様は生産現場から与えられる
    ということなのです。従って,我々には”産業界との連携”が必要不可欠であり,積極的に共同開発・研究を推進しています。平たく言えば,現場で使い物にならないような技術では評価されない,ということです。研究室には,実際のメカトロニクス製品(レーザスキャナ,磁気ディスク,工作機械)やその一部・試作実験機を揃え,実際の制御仕様の下で独自の制御手法を提案・検証しています。

    さらに,上記のように,諸外国からの追い上げも厳しいものがあります。積極的に国際会議に出席して,研究室の研究成果をアピールし続けています。また,高度なメカトロニクス制御やインテリジェント化を目指す欧米の大学も多数あります。ドイツやイタリアの大学関係者とは密に連絡を取り合い,意見交換を進めています。

以上の研究室の背景・アプローチ・スタンスを纏めたのが,下のコンセプト図です。改めて解説しますと,我々の身の回りで日々急速に展開・進化するIT社会に不可欠な通信ネットワーク機器,ゲーム機器,映像機器,携帯機器は,それらを製造するメカトロニクス製品群に支えられています。磁気ディスクなどの基盤製品や工作機械,ロボットなどの生産設備機器などのメカトロニクス製品には,今後益々高性能化・高機能化・優れたヒューマンインターフェイス化が求められることは間違いありません。岩崎研究室では,産業界・海外と強力な連携を計り,制御理論,信号処理,人工知能,シミュレーション,高速計算機といった技術的アプローチによって,産業界を支えるインテリジェントメカトロニクス制御技術の実現を目指します。