電気回路T 第3週 講義内容とレポート課題
本日の内容
1.ラプラス変換の基礎
2.電気回路と微分方程式(復習)
3.ラプラス変換の定義と基本性質
3章 ラプラス変換の基礎
1年前期の「電気機械工学入門」で,“微分方程式の解法基礎”と“電気回路の過渡現象を微分方程式で解く”を学んだ。(さらに,1年後期では「常微分方程式」を学修する)
ここでは,積分変換の一つである“ラプラス変換”の基礎を学び,電気回路の過渡現象解析(定常解析も含む)を微分方程式の解法ではなく,ラプラス変換による積分変換によって変数変換し,その変数に対する方程式と逆変換を扱うことによって行う。
3−1 ラプラス変換の定義
0≦t<∞で定義された連続関数f(t)に対して
F(s) =∫0∞ε-st f(t) dt
なる積分を定義し,f(t)のラプラス変換と呼び,この積分変換の演算子sをラプラス演算子と呼んで記号L{・}によって
F(s) = L{f(t)}
と表す。(なお,便宜的にt<0でf(t)=0とする)
ラプラス変換は線形性をもつ。
3−2 ラプラス変換と基本性質
3−2−1 基本関数のラプラス変換
ここでは,指数関数(ε),定数,時間関数,三角関数(cos, sin)など電気回路解析で扱うことの多い基本関数に対してラプラス変換を上記定義式によって行う。
3−2−2 ラプラス変換の線形則
ここでは,ラプラス変換に対する微分則,積分則,時間推移則を,前項同様定義式によって導出し,ラプラス変換を表3.1のように纏める。
そして,例題(3−2,3−3,3−4)によってラプラス変換の適用について学ぶ。
次週では,“ラプラス変換”に対する逆変換を学び,微分方程式の解法に繋げる。
[レポート課題]
(1) 基本関数のラプラス変換である(3.4)式,(3.5)式,(3.6)式,(3.9)式,(3.12)式を導出しなさい。
(2) 例題3−1を解きなさい。
(3) ラプラス変換の線形則である(3.13)式,(3.15)式,(3.17)式を導出しなさい。
(4) 例題3−2,例題3−3,例題3−4を解きなさい。